薄毛治療の薬としてよく用いられる「フィナステリド」と「ミノキシジル」の効果と副作用について説明します。
フィナステリド
フィナステリドは、男性ホルモンの一種であるテストステロンが、脱毛の原因となるジヒドロテストステロン（DHT）に変換されるのを阻害する働きがあります。DHTは、毛髪の成長を抑制し、抜け毛を促進する作用があるため、フィナステリドを服用することで、DHTの生成を抑制し、薄毛の進行を抑える効果が期待できます。
フィナステリドの有効性は、国内外の多くの臨床試験で確認されており、AGAの進行を抑制する効果は、約90％と報告されています。また、発毛効果も期待でき、フィナステリドを服用することで、抜け毛が減り、髪のボリュームがアップするなどの効果が期待できます。
フィナステリドの副作用として、性機能障害（勃起不全、射精障害、性欲減退）が報告されています。ただし、これらの副作用は、服用を中止することで、ほとんどの場合で回復します。また、まれに、肝機能障害や乳房肥大などの副作用が報告されています。
ミノキシジル
ミノキシジルは、血管拡張作用があり、頭皮の血行を促進する働きがあります。血行が促進されることで、毛母細胞が活性化され、発毛が促進されると考えられています。
ミノキシジルの有効性は、国内外の多くの臨床試験で確認されており、発毛効果は、約70％と報告されています。また、フィナステリドと併用することで、発毛効果が高まるという報告もあります。
ミノキシジルの副作用として、頭皮の炎症や、頭皮のかゆみ、フケなどの皮膚症状が報告されています。また、まれに、心臓肥大や体重増加などの副作用が報告されています。
まとめ
フィナステリドとミノキシジルは、どちらもAGA治療に有効な薬です。フィナステリドは、薄毛の進行を抑える効果が、ミノキシジルは、発毛効果が高いという特徴があります。
どちらの薬が自分に適しているかは、AGAの進行具合や、個人の希望などによって異なります。AGA治療を検討している場合は、医師に相談して、適切な薬を選ぶようにしましょう。
効果が出るまでに時間がかかると言われていますがどうでしょうか？
はい、フィナステリドとミノキシジルの両薬とも、効果が出るまでに時間がかかると言われています。
フィナステリドは、DHTの生成を抑制することで薄毛の進行を抑える効果がありますが、DHTの生成量を減らすには、ある程度の時間がかかると考えられています。そのため、フィナステリドを服用してから効果が実感できるまでに、半年から1年程度かかると言われています。
ミノキシジルは、頭皮の血行を促進することで発毛を促進する効果がありますが、毛髪の成長には、ある程度の時間がかかります。そのため、ミノキシジルを塗布してから効果が実感できるまでに、3か月から6か月程度かかると言われています。
また、AGAの進行具合によっても、効果が出るまでの期間は異なります。AGAの進行が早い場合は、効果が出るまでの期間も短くなる傾向があります。
フィナステリド
ミノキシジル
AGA治療を検討している場合は、効果が出るまでの期間を理解した上で、治療を継続することが大切です。
「AGA」は何の略称ですか？
「AGA」は、「Androgenetic Alopecia」の略称で、日本語では「男性型脱毛症」と呼ばれます。成人男性に多くみられる進行性の脱毛症で、生え際や頭頂部の毛髪が薄くなったりするのが特徴です。一般的に遺伝や男性ホルモンの影響などが主な原因と考えられています。
「Androgenetic」は「男性ホルモンによる」という意味で、「Alopecia」は「脱毛症」という意味です。したがって、「AGA」は「男性ホルモンによる脱毛症」という意味になります。
AGAは、前頭部から少しずつ髪の毛が薄くなっていく「M型」や、頭頂部を中心に髪の毛が薄くなっていく「O型」が多くみられます。また、AGAの進行は年齢とともに早まる傾向があり、30歳代から40歳代で進行が始まることが多いと言われています。
AGAの治療には、フィナステリドやミノキシジルなどの薬が用いられます。これらの薬は、AGAの進行を抑える効果や、発毛を促す効果が期待できます。
