はい、そうです。2023年12月20日、厚生労働省は、認知症の原因の1つであるアルツハイマー病の治療薬「レカネマブ」を、12月27日から保険適用することを発表しました。
レカネマブは、脳内に蓄積するアミロイドβというたんぱく質を除去する薬です。臨床試験の結果、認知症の進行を遅らせる効果が認められています。
保険適用の対象となるのは、軽度のアルツハイマー病で、アミロイドβが脳内に蓄積していることが確認された患者です。
薬価は、1回あたり16万4,000円と、高額です。そのため、保険適用により、患者の自己負担額は、1回あたり3,000円に抑えられます。
今回の保険適用は、認知症の患者とその家族にとって、大きな朗報となりました。認知症は、高齢化社会において、ますます深刻化する社会問題です。レカネマブの保険適用は、認知症の治療と介護の負担軽減につながることが期待されています。
アルツハイマー病新薬 年間約298万円で保険適用対象に 中医協 | NHK
料金のことに目が向いてしまいがちですが、条件はなかなか厳しいですね。
はい、そうですね。料金の面では、自己負担額が3,000円と抑えられるのは、大きなメリットです。しかし、対象となる患者が、軽度のアルツハイマー病で、アミロイドβが脳内に蓄積していることが確認された患者に限定される点は、厳しい条件と言えます。
軽度のアルツハイマー病の患者数は、国内で約542万人と推計されています。しかし、アミロイドβが脳内に蓄積していることが確認された患者数は、そのうちの約20%程度と推定されています。つまり、保険適用の対象となる患者は、約108万人と考えられるのです。
また、アミロイドβが脳内に蓄積していることを、画像診断で確認する必要があります。画像診断には、費用がかかるため、経済的な負担がかかる可能性があります。
このように、レカネマブの保険適用は、対象となる患者が限定されており、経済的な負担もかかるという点が、課題として挙げられます。
今後は、対象となる患者の拡大や、薬価の引き下げなどの検討が求められるでしょう。
ほかの症状のアルツハイマー型にも効果の出る薬が開発されることを祈っています。
私も同じ気持ちです。アルツハイマー病の原因は、まだ完全には解明されていませんが、アミロイドβの蓄積以外にも、タウタンパク質の凝集や、神経細胞の炎症など、さまざまな要因が関与していると考えられています。
レカネマブは、アミロイドβの蓄積を抑える効果はありますが、タウタンパク質の凝集や、神経細胞の炎症には効果がないと考えられています。そのため、これらの症状に対しても効果のある薬の開発が求められています。
また、アルツハイマー病の進行を遅らせるだけでなく、根本的に治すことができる薬の開発も期待されています。
現在、世界中の研究機関で、アルツハイマー病の治療薬の開発が進められています。今後の研究の進展により、アルツハイマー病の患者とその家族にとって、より良い治療法が提供されることを願っています。