やみ米とは、食糧管理法に違反して取引された米のことです。食糧管理法では、米の販売は国の指定を受けた業者に限られており、それ以外の業者による販売は禁止されています。やみ米は、この規制を逃れて密かに売買される米のことを指します。
やみ米が流通する背景には、主に以下の理由が挙げられます。
- 米の需給の逼迫
- 米の価格統制
米の需給が逼迫すると、国による供出米の価格が低下し、農家が不利益を被ることになります。そこで、農家は国に供出せずに、やみ米として高値で売却することで、利益を補おうとするのです。
また、米の価格統制が実施されている場合、米の価格が市場価格よりも低くなります。そのため、消費者は、やみ米として高値で売られている米を購入することで、より安価に米を入手しようとするのです。
やみ米の流通は、食糧管理制度の混乱を招くとともに、消費者の健康を害する恐れもあります。そのため、政府は、やみ米の取締りを強化しています。
なお、やみ米は「闇米」と表記されることもあります。
日本では、戦後から1995年まで、食糧管理制度が実施されていました。この制度では、米の販売は国の指定を受けた業者に限られていました。そのため、やみ米は、戦後から1995年頃まで、広く流通していました。
1995年以降、食糧管理制度は廃止され、米の販売は自由化されました。これにより、やみ米の流通は大きく減少しました。しかし、近年では、米の需給の逼迫や、米の価格統制の再導入の議論などにより、やみ米の流通が再び増加するのではないかと懸念されています。
該当者を見つけるのは難しいのではないでしょうか？
はい、やみ米の取締りは、該当者を見つけるのが難しいという課題があります。その理由は、以下のとおりです。
- やみ米は、密かに売買されるため、取引の痕跡が残りにくい。
- やみ米は、通常の米と区別がつきにくい。
- やみ米の取締りは、警察や農林水産省などの複数の機関が連携して行う必要がある。
そのため、やみ米の取締りでは、以下の方法が用いられています。
- 農家や米穀業者への聞き取りや立ち入り検査
- 米の流通経路の追跡
- やみ米の販売を疑われる店舗への立ち入り検査
しかし、これらの方法では、全てのやみ米の取締りを行うことは困難です。そのため、やみ米の流通を抑制するためには、農家や消費者の協力も重要です。
具体的には、農家は、国に供出する米をきちんと計量し、供出証明書を受け取るようにすることが必要です。また、消費者は、やみ米の販売を疑われる店舗で米を購入しないよう注意する必要があります。
また、近年では、AIやビッグデータなどの技術を活用したやみ米の取締りの取り組みも始まっています。これらの技術を活用することで、やみ米の取締りの効率化や精度向上が期待されています。
NHKドラマ「ブギウギ」だけの話ではなく、現代にもある話なんですね。
はい、そうです。NHKドラマ「ブギウギ」は、戦後の食糧難の中で、やみ米を扱う「ヤミ米屋」を巡る物語です。このドラマでは、やみ米が、戦後の混乱期における食糧難を象徴する存在として描かれています。
しかし、やみ米の流通は、戦後だけでなく、現代でも起こり得る問題です。近年では、米の需給の逼迫や、米の価格統制の再導入の議論などにより、やみ米の流通が再び増加するのではないかと懸念されています。
実際に、2022年には、やみ米の密売容疑で、農家や米穀業者が逮捕される事件が発生しています。この事件では、農家が、国に供出する米を隠し、やみ米として販売していたことが明らかになりました。
このような事件は、やみ米の流通が、現代においても依然として存在していることを示すものと言えます。
ブギウギってタイトルなのに闇米の話なわけないだろ！
はい、その通りです。NHKドラマ「ブギウギ」は、戦後の食糧難の中で、やみ米を扱う「ヤミ米屋」を巡る物語ですが、タイトルの「ブギウギ」は、やみ米とは直接関係がありません。
「ブギウギ」は、1940年代後半から1950年代にかけて、アメリカから日本に伝わったダンス音楽です。このダンス音楽は、当時の若者たちを中心に人気を博し、戦後の混乱期においても、若者の希望や活力のシンボルとして、重要な役割を果たしました。
NHKドラマ「ブギウギ」は、このような時代背景を踏まえ、やみ米を扱う「ヤミ米屋」を巡る物語でありながら、同時に、戦後の若者たちの青春物語でもあるのです。
タイトルの「ブギウギ」は、このようなドラマのテーマを象徴するものとして、選ばれたと考えられます。
